7 同窓会の対応
7.1 同窓会の組織
まず同窓会「六神会」の組織の概略を述べる。
「六神会」とは神戸市立六甲工業高等学校・神戸市立工業高等専門学校の同窓会の呼称名である。
六神会の事業
- 総会等の開催
- 会員名簿および機関誌の発行
- 母校発展のため必要な事業
各科同窓会の事業
- 総会等の開催
- 退官記念行事の開催
- その他
幹事会 全体の各クラスの幹事が集まり、重要事項の決定を行う。
理事会 幹事会、総会の決議の執行等。
事務局(神戸高専内)
六神会の事務処理等を行う。
94年度事務局メンバー (森本、尾崎、石崎、森田、大淵、中尾、辻本、高科)
図7-1 同窓会組織図
7.2 事務局の対応
震災後、出席可能な教職員による集会が1月20日(金)、23日(月)に持たれ今後の対応、対策が論議された。席上、村尾校長は『学校運営上、施設・設備に大きな支障は認められないので、早期授業再開が学生の心の動揺の鎮静化と学力向上に必要である』と表明された。授業再開に向けては種々の問題が挙げられる。学校までのアクセス方法、家屋倒壊のため避難している教職員、学生の問題などである。
これらの問題解決に学校としては被災学生、通学困難な学生を対象として校内合宿施設の開放を決定した。しかし、これらに関する経費の問題が浮上してきた。市費では当然支出できない。後援会に頼らざるを得ないが、どうしたものかと困惑した。
この様なとき、同窓会「六神会」の事務局メンバーは宿泊学生への補助は何とかならないか思案した。
図7-1に示すように六神会の組織は理事会、幹事会を通さなくては事業を行う事ができない。急を要する問題なので事務局で現在六神会から拠出可能な200万円(宿泊する学生の費用の一部の負担)を算出し山崎会長に打診した。会長の認可を得た後、事務局員が手分けして各科理事に電話連絡をとり意見の集約をした。その結果、各科理事の賛同を得た。各科幹事には2月7日付けの会長、事務局長連名の文章を送付し承認を得る形を取った。
1月25日(水)に震災後初めて全教職員会議が開かれこの席上六神会から寄付金の申し出があった事が報告された。会議では30日(月)に安否確認のため学生を登校させること、31日(火)から授業を再開する事が決定された。
7.3 具体的な援助
当初、六神会の寄付金は学校の「義援金管理委員会」で管理されていたが、現金でないためその枠から除外された。義援金管理委員長の福田事務室長と話し合い、義援金から支出できない物品の調達、宿泊学生の食事補助、被災学生の平成7年度教科書代として配布する事で合意した。
結果として、宿泊学生の食費補助として24万円、義援金として99万円、総額123万円の援助を行った。なお、義援金は自宅が全壊または全焼した学生または収入が著しく減少した世帯の学生を対象に給付した。(表7-1参照)
表7-1 各クラスの配布人数
学科名 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
機械工学科(クラス) | (A) 3 | (D) 6 | (D) 6 | (D) 4 | 19 |
(B) 6 | (C) 4 | (C) 1 | (C) 4 | 15 | |
電気工学科 | 6 | 3 | 6 | 2 | 17 |
電子工学科 | 4 | 1 | 9 | 3 | 17 |
応用化学科 | 4 | 8 | 3 | 3 | 18 |
都市工学科 | 3 | 4 | 1 | 5 | 13 |
合計 | 26 | 26 | 26 | 21 | 99 |
(注)平成6年度卒業生および新1年生は対象外とした。
宿泊施設の貸し布団代約40万円は、電気・電子工学科同窓会が援助した。
その後、グランドの1/3に仮設住宅を建設することが決まった。グランドを使用しているクラブの活動に影響がでないようにと近隣のグランドを使用することになり、その使用料を援助することにした。
(六神会事務局長 森本義則)