電子工学科が推奨するPCスペック(2025年2月編)
はじめに
2024年度より、神戸高専では新入生の皆さまにノートPCのご用意をお願いしています。
本記事では、神戸高専 電子工学科への入学に合わせてPCの購入を検討している方や、在校生の皆さまのご参考となればと思い、
電子工学科として推奨するスペックの参考を掲載しております。
※ あくまで、電子工学科へ入学されるの方に合わせた内容となります。
その他の学科に入学・在学の方は各学科の教職員までお尋ねください。
なお、当記事は紹介した内容に完全に合致する機種の購入を求めるものではありません。
PC購入時の参考情報の1つとしてご覧ください。
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以下の記事では、電子工学科のPCのご紹介&PCの選び方の参考情報を掲載しています!
こちらもご参考ください!
・電子工学科の実験実習用PCを紹介&PCの選び方!
推奨スペック表
各項目についての詳細な説明は項目をタップクリックするか、ページ下部をご覧ください。
OS | Microsoft Windows 11 |
---|---|
CPU |
Intel Core Ultra シリーズ または Intel Core i5 / i7 / i9 (第11世代以上) または AMD Ryzen5 / Ryzen7 / Ryzen9 (第4世代以上) (注) 以下のものは購入しないでください CPUの欄に『Snapdragon』と表記のあるもの |
メモリ | 16GB 以上 |
ストレージ(SSD) | 500GB 以上 |
グラフィック(GPU) | 任意 |
画面サイズ | 14インチ以上を推奨 |
バッテリー 駆動時間 |
特に指定はありません ※ACアダプタがあれば実験室で給電できます |
重量 | 自分の持てる重さ |
USBポート | Type-C : 1ポート以上 |
内蔵カメラ 有線LAN端子 HDMI端子 |
有無は任意 ※必要に応じて外付けのもの・アダプタを貸出可能 |
テンキー | 有無は任意 |
Officeソフト(WordやExcel) | 不要 ※本校の学生は無料でMicrosoft 365が使用できます |
1. OSについて
OSはWindows、MacOS、Linuxといったシステムのことです。OSによって特長や使えるソフトウェアに違いがあります。
電子工学科では、Windows搭載のPCを前提として、実験実習を行います。
これは、実験で使用する一部のアプリケーションは、Windows以外のOSに対応していないものがあるためです。
MacOS上でWindowsのアプリケーションを動作させることは可能ですが、その方法では実験実習で必要なアプリケーションが正常に動作しないといった事例も発生しているため、MacOSは非推奨と致しました。
なお、Windows 10は2025年10月14日でサポートが終了します。 現在お使いのPCを利用予定の場合でもOSがWindows 10であれば、Windows 11への更新またはWindows 11搭載PCのご用意をお願いします。
2. CPUについて
CPUは人間でいう脳の部分です。あるいは"作業をする人"と例えられることもあります。CPUの性能が高いほど処理が速く、新しいCPUほど処理を効率的にできるように設計されています。
選び方にはあえて、第〇世代 と記載しています。
よく、「Core i7搭載!」などと記載されることも多いですが、実はIntel Core i7シリーズは2008年から発売されています。
同じ i7 でも、発売された年月でシリーズや世代が変わり、もちろん新しい世代の方が性能は良くなります。
なお、「Snapdragon」と表記のあるPCは購入しないでください。
実験実習で使用するソフトウェアが動作しない可能性があります。
3. メモリについて
メモリは人間でいうと作業する机です。机が大きければ大きいほど多くの材料を置いたり、他の作業に使うものを置いておくことが出来るのと同じです。
電子工学科では、16GBを推奨としています。
ただし、メモリは多い方が良いのですが、カスタマイズ可能なPCなどでもメモリを増やすと価格が跳ね上がることも多いので、予算を見ながら無理をしないように選択してください。
また、分解や改造による保障の可否については購入先でそれぞれ変わりますが、機種によっては、自分でメモリの交換や増設をすることも可能です。
メモリ交換・増設については、機種によってかなり変わってきます。
たとえば、オンボードメモリと言われるような基板(マザーボード)にメモリが固定されているものがありますが、これはどう頑張っても交換することは出来ません。
しかし、オンボードメモリに加えて、メモリが搭載できるスロットが付いているものもあります。
メモリスロットがあるPCであれば、そこにメモリを追加することでメモリを「増設」することができます。
オンボードメモリがないPCも多くあります。これは、メモリの「交換」が可能です。
『メモリ2スロット(空き:1)』と書かれているようなものもありますが、これはメモリを交換することも、空いているスロットに増設することも可能です。
ただし、メモリの交換や増設には「相性」と呼ばれるものが存在します。簡単に言うと、メモリを買ってきたけどPCと相性が悪く使えない、という場合もあるということです。
一方で、販売時にメモリを増やすことができる機種は相性問題はクリアされていますので、どうしても不安という方は購入時点で増やしておくのは1つの手です。
増設や交換にチャレンジしてみたい人は、PCの構成表・仕様などを確認したり、ネットで同じ機種のメモリ交換した人が他にいないかなどを調べたりしてメモリの増設・交換ができそうかどうかも確認しておきましょう。
入学後、わからなければ電子工学科の教職員へ質問・相談していただくことも可能です。
4. ストレージ(SSD)について
一般的に「HDD・SSD」と呼ばれる部分です。作業したデータはもちろん、ソフトウェアなどを導入する際にも使われます。
SSDが搭載されているものを選んでください。少し古いPCではHDDのみ搭載のものもありますが、PCの起動時間に大きな差があります。
容量は500GB以上を推奨します。
小さいものでは64~128GB程度のPCもありますが、ソフトウェアをインストールしたり、各種作業などで自分で作成したデータを保存したりしていると、あっという間に容量を使い切ってしまいます。
最近では画像や動画なども高画質なものが多いため、余裕があればより容量の大きなものを選択いただいた方が長く使える可能性は高いですが、 一方で、こちらも、容量が大きいモデルにすると価格が跳ね上がる場合もありますので、ご予算に合わせてお選びください。
SSDについても基本的には交換可能で、機種によっては複数取り付けるスロットがあり増設が出来る場合もあります。 また、メモリと違い、相性による影響はほとんど無い部品です。
PCの内蔵ストレージには HDD と SSD の2種類があります。
ざっくりとした考え方ですが『HDDはデータの読み書きは遅いが大容量で安いものが多い』『SSDはデータの読み書きは速いが大容量のものは高い』と言えるでしょう。
ちなみに、HDDやSSDにも寿命が存在します。
ある程度の年数を使っているとHDDやSSDが突然故障することもあります。
データのバックアップを取ることも忘れないようにしましょう。
データのバックアップ先や本体のストレージを増やす以外の選択肢に、最近はスマートフォンでもおなじみのGoogle DriveやiCloudなどをはじめとした「クラウドストレージ」と呼ばれるオンライン上にデータを保存して管理できるサービスも数多くあります。
特に、神戸高専の在学生は学生用のGoogleアカウントが作成されるため、Google Driveとの連携は便利です。
5. グラフィック(GPU)について
元々は、コンピュータ上で画像処理を行う装置です。
例えば、ディスプレイに映像を表示するための計算などをしています。
一方で、処理能力や方法の特長から、3Dモデリング・CG作成や動画作成のほか、AI分野などでも利用される装置となっています。
大きく分けて、上述の「CPU」に内蔵されているGPUを使うパターン、単体の別パーツとして搭載されているGPUを使うパターンの2つがあります。
かなり簡単に書くと、
・3Dモデリングや3DCGを作成してみたい
・動画作成などもやっていきたい
・自分のPC上でAI学習などをやってみたい
といった場合には、「NVIDIA GeForce RTX (or GTX)」シリーズのような、CPU内蔵"ではない"単体のGPUが搭載されているPCをお選びいただいた方が良いでしょう。
単体のGPUは、上記のような場面で効果を発揮します。ただし、PCの価格は(搭載するGPUの能力に応じて)上昇します。
特に、そういった用途での利用を考えていない場合は、グラフィックの項目は気にしなくても問題ありません。
ノートPCの場合は「グラフィック」や「GPU」の欄に
・NVIDIA GeForce RTX○○○○
・NVIDIA GeForce GTX○○○○
などと書かれているモデルが、単体のGPUを搭載しているPCとなります。
一方で、「グラフィック」や「GPU」の欄に
・Intel Xe Graphics
・Intel UHD Graphics
・Radeon RX
などと書かれているモデルが、CPU内蔵のものを利用するPCとなります。
電子工学科の実験実習では、持参いただくPCに対して、高機能なGPUを求めません。
また、レポート作成はもちろん、ほとんどの実験で「(ご自身のPCで)GPUを活用して何かをする」ということはありません。
一部、GPUの機能を活用する内容の実験もありますが、そのような場合は学科で用意している共用のPCをお使いいただくことが可能です。
入学後にやってみたいこと、予算、それぞれを考え、お選びいただければと思います。
6. 画面サイズについて
お好きなサイズのものをお選びください。
グループワークのような実習もより積極的に行うことが検討されているため、相互に画面を見せ合うなどの場面を考慮して14インチ以上を推奨としております。
それより小さいからダメということはありませんが、なるべく、小さくても13インチ以上の機種でお考えください。
一方で、大きければ良いというものでもなく、画面サイズが大きくなるほど「入るバッグが限られる」「重量が増える」など、持ち運びの面ではデメリットも生じるため、後述の重量と合わせ、持ち運びも考慮しながらお選びください。
7. バッテリー駆動時間について
電源に接続せずに稼働できる時間は機種や作業内容によって様々です。
バッテリーだけで駆動する時間、いわゆる『コンセントにつながっていない状態』でPCを使用できる時間は、機種や作業内容によって大きく変化します。
これは「高価で性能が良いPCだから電源に繋がなくても長く使える」というようなものでもありません。
逆に、性能が良いPCほど消費電力も多くなるため稼働時間が短くなる場合もあります。
そのため、購入の際にはバッテリー駆動時間もよくチェックして『自分の使い方の場合には書いてある駆動時間で問題ないか』とよく考えてみてください。
学校や家で使用するのがメインであれば多少短くても問題ないと思いますが、例えば飲食店など屋外で長く作業したい方や、遊びに出た先で使用する機会も多そうだという方は駆動時間が長めのものを選んだ方が良いでしょう。
なお、実験実習で使用する際には、ACアダプター(電源)を持ってこればコンセントに刺して給電しながら使用することもできます。
また、少数ですが、充電アダプターも学科に用意がありますので、忘れてしまった場合にはそれを使って給電してもらうことも出来ます。
8. 重量について
自分のバッグに入り、自分が持ち運んで苦労の無い重さの物を選んでください。
ありきたりな言葉ですが、自分が持ち運べると思う重さの製品を選んでください。
実験で「製作物にPCを積載するから軽くないとダメ!」なんてことはありませんので、各々が好きなPCを選んでもらえればと思います。
例えば電子工学科の在学生でも、小型のモバイル向けPCを片手に持って立ったまま実験を進める学生もいれば、大型で重量のありそうなPCでも毎日軽々と持ってきている学生まで様々です。
一般的には小さくて軽いものが持ち運びやすいとは言われますが、たとえば「持ち運びは頑張るから大きな画面が欲しい」という方は大きな画面で他より重いPCをもってきても問題ありません。
9. USBポートについて
マウスやキーボードなどの周辺機器から、スマートフォンの充電ポートまで様々な場所に様々な形状のUSBポートがあります。
USBポートは一般的に、USBの「メス」側とも呼ばれています。
PCに搭載されているUSBポートとして一般的なのは、 "USB"と言われてイメージする人も多いであろう長方形のような形をしている「Type A」の端子と、 最近はスマートフォンやタブレットでもよく見る「Type C」の2種類です。
実験実習で使用する器材に付属しているものや、USBメモリ、配布するケーブルなどは基本的にこの「Type A」のコネクタです。
そのため、この「Type A」と呼ばれるポートが付いているPCを選ぶと変換コネクタやUSBハブなどが無くても機器をそのままつなぐことが出来て便利です。

また、実験実習で直接使う機会は今のところありませんが、日常的にPCを使うことを考えれば「Type C」と呼ばれるポートが付いているPCをお選びください。
☆ 詳しい理由は↓の「もっと詳しい解説」をチェックしてみてください
最近では薄型モデルなどを筆頭に、この「Type C」ポートだけしか付いていないPCもあります。
Type Cポートだけを備えたPCなどは薄くて軽く持ち運びしやすいものが多く、携帯性は優れていますが、 上述の通り、電子工学科の実験実習で必要となることが多いのは「Type A」ポートとなっています。
そのため、このようなPCを購入した場合には「Type A」ポートを搭載したUSBハブや「Type A」ポートに変換できる変換コネクタを合わせて用意しておくと便利です。

Type Cポートに接続するUSBハブの例。写真のハブの場合、PCに接続するケーブルの先はType C(オス)端子で、本体の側面にはType Aポートが2つ(中央・右)とType Cポートが1つ(左)搭載されています。
Type C端子が付いていることが望ましい理由として、『Type A(オス)からType C(オス)に変換することは出来るが、Type C(オス)からType A(オス)の端子に変換することはできない』という事情があります。
Type C(オス)からType A(オス)へ変換するようなアダプタとして、一部の通販サイトなどでは変換コネクタなども売られていますが、実はUSBの規格としては認められていません。
よって、USB規格として正しく保証されているType Cポートを使用するには、(基本的には)元からType Cポートが付いている製品を利用するしかないのです。
※ポートを基準に考えると『Type CのポートがあればType Aに変換して使える』が『Type AポートがあってもType Cに変換して使うことはできない』ということになります。
上記の解説では『実験でつかうものはType Aがほとんど』と書いていますが、近年では逆に、Type Cポートを備えたPCでないと使えない機器も出てきています。
そのような製品は今後ますます増えていくと考えられますので、Type Cポートも最低1つはあった方が不便なく使用していけるはずです。
10. 内蔵カメラ, 有線LAN端子, HDMI端子について
実験実習等では無くても問題ありません。 搭載されていない場合も、必要になった際は外付けのWebカメラや、有線LAN・HDMI用のアダプタなど貸出可能です。
11. テンキーについて
自身のやりたいことに合わせて、有無や外付けでの購入をお選びください。
テンキーは、一部のキーボードで右端のエリアに「0~9」「+-*/.」とあるもの、もしくはそれをUSBで外付けとして接続するものです。
実験実習や、レポート作成などで数値を入力する機会は非常に多いため、テンキーを搭載または外付けし、使い慣れれば素早くデータの入力が行えます。
ただし、テンキーも、実験実習で必要になるということはありません。
外付けのテンキーも、数百円程度からで購入可能ですので、必要性を感じた際に追加でご購入いただく形でも良いかと思います。
12. Officeソフトについて
WordやExcel、PowerPointなどを総称して「Office」と呼びます。
レポートをはじめ、文章を書く際にはWord、データをまとめたりグラフを作成する際にはExcel、プレゼンテーションをする際にはPowerPoint、といったソフトを使うことが多いでしょう。
家電量販店やネットショップでも、これらの入っている「Microsoft Office」や「Office互換ソフト」を追加したり、付属していること場合もあります。
しかし、学生のみなさんは神戸高専に在学中は完全無料でMicrosoft 365 (WordやExcel、PowerPoint等)を使用することが出来ます。
そのため、あえて購入またはサブスクリプションへの加入をする必要はありません。
※ただし、学生1人当たりのライセンスで使用できる台数には限りがあります。それを超えて使用したいとなった際に購入やサブスクリプションへの加入を検討していただければと思います。
必要な事項の追加や、情報の更新が必要となった場合には順次更新を致します。
この情報は2025年2月14日時点の最新情報です。