科 目 | 論理回路 ( Logic Circuits ) | |||
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担当教員 | 髙田 崚介 講師 | |||
対象学年等 | 電子工学科・2年・通年・必修・2単位【講義】 ( 学修単位I ) | |||
学習・教育 目標 |
A3(100%) | |||
授業の概要 と方針 |
論理回路は,計算機工学の基礎となるデジタル(2値論理)を扱う学問である.本科目では,コンピュータハードウェアの構成要素である論理回路についての仕組み,ディジタル回路を設計するにあたって必要となる考え方や設計の仕方を学習する. | |||
到 達 目 標 |
1 | 【A3】 数のn進変換ができる. | 2 | 【A3】 論理変数と論理記号で記述された論理関係を代数式の形で表現した論理関数を理解し,基本的な定理や法則を用いて式変形できる. | 3 | 【A3】 論理関数をカルノー図やクワイン・マクラスキー法を用いて簡単化することができる. | 4 | 【A3】 AND/OR/NOT/NAND/NORゲートを用いて,任意の論理回路を作成することができる. | 5 | 【A3】 論理回路を等価的に変換でき,また論理の完全性を理解することができる. | 6 | 【A3】 与えられた課題に対して真理値表の作成,簡単化,論理回路作成の流れで論理回路を設計することができる. | 7 | 【A3】 SR-FF, SRT-FF, T-FF, JK-FF, D-FF, Dラッチの各フリップフロップの動作を理解できる. | 8 | 【A3】 フリップフロップの特性方程式を用いて,順序論理回路を作成することができる. | 9 | 【A3】 フリップフロップの応用回路であるレジスタやカウンタ回路を理解できる. | 10 | 【A3】 課題を設定し,要件を定義し,順序論理回路を創造し,それを設計できる. |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 基数の変換がしっかりと理解できているかどうかを前期中間試験,前期定期試験,後期中間試験,後期定期試験,課題で評価する. | |
2 | 論理関数を理解し,基本定理やド・モルガンの法則等を用いて式変形できるかどうかを前期中間試験,課題で評価する. | |||
3 | 論理関数を簡単化することができるかどうかを前期中間試験,課題で評価する. | |||
4 | AND/OR/NOT/NAND/NORゲートを用いて任意の論理回路を作成することができるかどうかを前期定期試験,課題で評価する. | |||
5 | 論理回路の等価変換ができるかどうかを前期定期試験,課題で評価する. | |||
6 | 論理回路の設計ができるかどうかを前期定期試験,課題で評価する. | |||
7 | 各フリップフロップの動作を理解できているかどうかを後期中間試験,課題で評価する. | |||
8 | フリップフロップの特性方程式から入力方程式を導き,順序論理回路が作成できるかどうかを後期中間試験,課題で評価する. | |||
9 | フリップフロップを用いてレジスタやカウンタ回路を設計できるかどうかを後期定期試験,課題で評価する. | |||
10 | 順序論理回路を設計できるかどうかを創造課題で評価する. | |||
総 合 評 価 |
成績は,試験70% 課題20% 創造課題10% として評価する.課題および創造課題は,授業中に課す演習や宿題のことを指す.試験点は,4回の試験の単純平均の70%で評価する.総合評価100点満点中60点以上を合格とする.尚,場合により臨時試験を実施する.臨時試験では70点以上を合格とし,当該試験の点数を最高60点とする. | |||
テキスト | 「論理回路の基礎」:田口,金杉,佐々木,菅原(朝倉書店) | |||
参考書 | 「イラスト・図解デジタル回路のしくみがわかる本」:宮井,尾崎,若林,三好(技術評論社) 「ディジタル回路」:伊原,若海,吉沢(コロナ社) 「電子工学入門」大豆生田利章(電気書院) 「論理回路の基礎」:田丸啓吉(工学図書) |
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関連科目 | 電子工学序論,コンピュータ工学,電子回路I | |||
履修上の 注意事項 |
週 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
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1 | イントロダクション |
本講義のイントロダクションを行う.また,数の体系や代表的な数を講義する. | |
2 | 基数の変換 |
2値論理で必要不可欠な2進数の説明を行う.また,2進10進変換,10進2進変換,これらを応用したn進10進変換,10進n進変換を行う. | |
3 | 論理関数の基礎 |
論理和,論理積,否定の基本論理の説明を行う.また,公理と定理やド・モルガンの法則を講義する.さらには,真理値表の書き方,加法標準型,乗法標準型を講義する. | |
4 | 論理関数の簡単化(1) |
論理関数の簡単化の意義を説明し,カルノー図の作成方法を講義する. | |
5 | 論理関数の簡単化(2) |
5変数までの論理関数をカルノー図を用いて簡単化する手法を講義する. | |
6 | 論理関数の簡単化(3) |
5変数以上の論理関数をクワイン・マクラスキー法を用いて簡単化する手法を講義する. | |
7 | 簡単化の演習 |
簡単化の演習問題を行う. | |
8 | 前期中間試験 |
1~7週の内容の中間試験 | |
9 | 試験返却と解説,簡単化の続き |
中間試験を返却し,解答の解説を行う.また,最簡形や禁止の場合の簡単化についての補足説明を行う. | |
10 | 組合せ論理回路 |
AND,OR,NOT,NAND,NOR,EXORの論理ゲートを講義する.また,これらを用いて簡単な論理回路の設計を行う. | |
11 | 組合せ論理回路の解析 |
論理の完全性を用いて,任意の回路をNAND回路またはNOR回路に等価変換する.また,逆にNAND回路,NOR回路を和積形または積和形の回路に変換する手法を講義する. | |
12 | 組合せ論理回路の設計 |
半加算回路,全加算回路,コンパレータの設計方法を,設計手順に従って講義する. | |
13 | 組み合わせ論理回路の設計演習 |
セブンセグメント回路の設計演習を行う. | |
14 | 順序論理回路の基礎 |
組み合わせ論理回路と順序論理回路の違いを説明し,Moore型とMealy型を講義する.また,状態遷移表,状態遷移図を用いて順序論理回路の状態を理解する. | |
15 | 発展的内容 |
これまでの内容の総括を行い,後期に向けての動機付けと夏季休業中の課題説明を行う. | |
16 | フリップフロップ(1) |
フリップフロップの基礎と,RS-FF,T-FF,RST-FFを講義する. | |
17 | フリップフロップ(2) |
JK-FF,D-FF,Dラッチを講義する. | |
18 | フリップフロップ応用回路の設計 |
与えられた条件を基に状態遷移表を作成し,フリップフロップの特性方程式より回路の入力方程式を導き,回路設計を行う手法を講義する. | |
19 | フリップフロップ応用回路の設計の演習 |
フリップフロップ応用回路の演習問題を行う. | |
20 | メモリレジスタ,シフトレジスタと計数回路 |
メモリレジスタ,シフトレジスタを講義する.また,計数回路の種類を学ぶ. | |
21 | 計数回路 |
2進カウンタ,可逆カウンタ,リングカウンタ,ジョンソンカウンタについて,それらの原理と動作を学ぶ. | |
22 | 計数回路の設計法 |
計数回路をフリップフロップを用いて設計する手順を講義する. | |
23 | 後期中間試験 |
16週~22週の内容の中間試験 | |
24 | 試験返却と解答,n進数係数回路の設計 |
試験を返却し,それの解説を行う.また,n進計数回路の設計手順を講義する. | |
25 | n進計数回路設計演習 |
n進計数回路の設計問題の演習を行う. | |
26 | 演算回路の基礎 |
演算回路の設計を行う上においての基礎を講義する.ここでは,数値コード,負数の取り扱い方,あふれの現象を見る. | |
27 | 浮動小数点数 |
C言語などのプログラミング言語において扱われる,数値コードの一種である浮動小数点数の仕様を講義する. | |
28 | 加算回路の設計 |
全加算回路を用いて2進数の加算回路を設計する. | |
29 | 創造課題 |
創造的な順序論理回路設計の課題を独自に設定し,設定された創造的な順序論理回路の課題に対して,それを設計する. | |
30 | 科目総まとめ |
本授業の総括を行い,1年間のまとめとする.また論理回路の発展としてPDLやHDLを学ぶ. | |
備 考 |
前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する. |